シムの形状とその特徴
シムとは、産業機器や金型などにおいて水平バランスを保つために部品間にはめられるものです。機器における精密な高さ調整や固定として用いられます。
シムには、様々な形状があり用途に合わせて選択していく必要があります。
では、シムの形状別にどのような特徴があるのでしょうか。
今回はシムの形状種類とその特徴について説明していきます。
シムの種類とは
シムとは、産業機器や金型などにおいて水平バランスを保つために部品間にはめられるものです。機器における精密な高さ調整や固定として用いられます。
また、シムは以下の2種類に分類されます。
形状 | 主な種類 | |
シムリング | リング形状 | ・コの字型シム
・C字型シム |
シムプレート | プレート形状 | ・穴付きシムプレート
・溝付きシムプレート |
シムにはリング形状とプレート形状があり、調整したい機器の部品に合わせて使い分けます。
また上記表のように、シムリングとシムプレートの中にはそれぞれ種類が存在します。
今回は、シムの種類別に特徴と用途について紹介します。
種類別シムの特徴と用途について
シムには様々な形状種類があり、それぞれの特徴と用途は以下の通りになります。
特徴 | 用途 | |
リング型 |
・リング形状
・リングの内径と外径の差によって分類される |
・ベアリング調整
・軸やパイプ形状の部品隙間を埋める(部品の形状に合わせてC型と使い分けられる) ・(フランジ型の場合)減速機 |
C型 |
・リングの一部が欠けた、文字の「C」のような形状
・リングの内径と外径の寸法の差やリングの欠けている部分の角度によって分類される |
・軸やパイプ形状の部品隙間を埋める(部品の形状に合わせてリング型と使い分けられる)
・シャフト端部の調整
|
コの字型 |
・文字の「コ」に似た形状
・縦横のサイズや切り欠けの大きさで分類される |
・機械の高さ、隙間調整
・ピローの高さ調整 ・部品の固定 |
プレート型 |
・四角形のシム
・縦横のサイズによって分類される |
・モーターの高さ調整 |
このように、リング型、プレート型それぞれでシムは分類され多くの種類があります。
シムは部品の高さや隙間調整として用いられるため、調整したい部品に合わせてシムを選択していく必要があります。
また、例えば導電性が求められる際に銅や真鍮のシムを用いるというように、形状とセットで材質ごとにシムを選ぶことも重要です。
特注シム製造センター.comで製作可能な特注シムとは?
特注シム製造センター.comでは、様々な形状やサイズの特注シムの製造を行ってまいりました。
形状や厚さなど、下記に詳細を解説いたします。
サイズ:最小で1mm×1mm、最大で600×1300mmのシム製造に対応可能
シムプレート・シムリングのサイズについては、200mm×200mm以下であれば特に短納期での対応が可能です。
基本的に160×250mmのブランクから製作できるものは比較的短納期での対応が可能です。ワイヤーの段取りのための押さえ代(一辺-20mm程度×2箇所)を引いたサイズくらいまでが加工可能範囲となります。
その反面、極端にサイズが小さかったり大きい特注シムについては、ワイヤーカットでは製作することができません。
Φ1mm以下の穴や幅1mm以下の長孔またはスリットはワイヤー加工が困難となります。またサイズが700mmのような大型シムの場合は、ワイヤーカットやプレス加工では対応が困難となります。
これらのような最小のシムも最大のシムも、どちらもエッチング加工にて対応可能です。エッチングでは、600mm四方のサイズから、長さ方向は1300mmの長尺シムまで対応可能となりますので、最大で600×1300mmのシム製造に対応可能です。小さいしむについても、最小で1mm×1mmまで対応可能です。
ただしエッチングの場合は、断面が平面にならず傾斜ができてしまう点と、場合によっては外周とのつなぎ箇所が必要となる点がデメリットとしてあげられます。
さらに当社の協力工場には最大で1000×2000mmまで対応可能な企業様もございます。(ただし、薄物のシムではなく、厚さ10mm以上のスペーサー・ライナーに限ります)
厚さ:最小で0.01mm、10mm以上の厚さのスペーサー・ライナーの製造も可能
シム厚さの下限は0.05mmとなっております。
当社で一般的に加工しているシムの厚さは、0.05・0.1・0.2・0.3・0.5・1.0・2.0mmの7種類×2枚ずつで1セットで加工しています。
ただし、0.01mm程度の薄さのシムの製作実績もございます。
また大型シムでは、厚さ2mmまでの厚さで対応可能です。ただし長尺になり厚さが薄くなればなるほど、どうしても反りや曲がりが発生しやすくなりますので、製作難易度も上がります。
材質がアルミの場合は、厚さ0.03mmのシムにも製造には対応しておりますが、このようなケースの場合はアルマイト処理が不可となります。厚さが0.03mmのように薄いシムについては、当社ではエッチングにて製造対応しております。ただし厚さ0.03mmの場合は、厚さが薄すぎるため、セッティングの問題からアルマイト処理は対応できません。
最小R・最小穴径:最小R0.2まで、最小穴径φ0.8まで対応可能
特注シム製造センター.comではφ0.2のワイヤー線を主に使用しています。理論上ではR0.1となりますが、オフセットの関係で図面上でR0.2が最小としてご検討をお願いしております。当社ネットワークの中でφ0.1またはφ0.05のワイヤー線を所有している工場もあります。
下穴加工で開けられる最小穴の関係によりφ0.8程度が最小の加工可能な穴径となります。ただし、φ0.8程度の穴が連続していると加工するのが困難となります。これは、ピッチが0.1以上ズレる場合があるため、下穴が残る場合があるためです。
あまりに細い形状のような物はワイヤー線が震えてしまい加工できない事があります。その際はスタート位置を二つ以上に設定して、最終的に切り落とす工法で対応できる場合がございます。極めて小さい形状の製品は、ブランクからの切り離しを手で行い対応できる場合があります。
当社の製品事例
製品事例①:ウェーブワッシャー
こちらは、ウェーブワッシャーです。材質はSUS304で、FA装置向け部品として使用されます。
このワッシャーは、複数枚重ねたブランク材を厚めの鉄材で挟み込むことで、加工液噴射による加工中のブレを低減させながら、内周と外周をワンカットで加工いたしました。またこちらの製品は、納入先でプレス曲げ加工が行われ、最終的に波形状に仕上げられます。
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製品事例②:動力伝導装置用 大型八角形シム
こちらは、特注の大型八角形シムです。材質はSUS304で、動力伝導装置に使用される部品です。
この特注八角形シム内の8個の穴は±0.01、中心の大きい穴は±0.03という高い加工精度が必要でした。そのため、複数枚重ねたブランク材を厚めの鉄材で挟み込むことで加工中のブレを低減させ、またそれぞれの穴を4回に分けてカットすることで、高精度な加工を実現いたしました。
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特注シム・積層コアなら「特注シム製造センター.com」まで!
今回、シムの形状別の特徴と用途について紹介しました。
シムは部品によって合う形状も異なります。
「使用したい部品に合うシムがわからない、、、」とお悩みの方、「こんな形状のシムが欲しい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
また、特注シム製造センター.comでは「シム」の製造・加工を行っております。
当社では薄くて、シンプルなシムを得意としており、シムの試作も承っております。
多品種の材質、小ロットでのシム製作でお悩みの方は、ぜひ特注シム製造センター.comまでお問い合わせ下さい。
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