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技術コラム

板ばねとは? 板ばねの定義から種類、計算方法までご紹介

板ばねとは、板形状のばねのことを指します。

実際に見たことがある方、使ったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、「板ばねとは何か」という定義がよくわからない方、「板ばねを用いて製造を行いたいが、設計のための計算方法がよくわからない、、、」とお悩みの方もいらっしゃるかと思います。

ここでは、板ばねの定義から種類、設計のための計算方法までご紹介します。

 

ばねとは

板ばねとは、板形状のばねのことを指します。

板ばねは英語で「Leaf spring」と書き、ばねの語源として考えられている「跳ねる」とspringの意味の一つである「はねる」が意味として合っております。

 

また、板ばねは板が厚いものから薄いもの、さらに渦巻き状など様々な形があり、設計段階ではそれぞれの形に合わせた応力評価が必要となります。加えて、材質も幅広く、自分の実現したい製造に合わせて選択することができます。

さらに形状だけでなく用途も幅広い板ばねは、産業機器、医療機器、自動車、PC等、私たちの暮らしで多く活躍している部品となります。

 

板ばねの形状の種類と特徴

先ほど、板ばねは様々な形状や材質があると述べました。

次に、実際にどのような形状の種類があるのか、特徴や用途と合わせてご説明します。

板ばねの形状には下記の表にあるような種類がございます。

形状の特徴

用途

重ね板ばね 長さが異なる板を複数枚重ねたばね 鉄道車両

トラックのサスペンション 等

薄板ばね 板厚が1mm前後の薄い板のばね 文具

ばね座金

抜け止め金具 等

皿ばね 円錐状の板ばねの中心をくり抜いたような皿状の形をしたばね ねじの緩み止め用座金

電気接点ばね 等

渦巻きばね 断面が長方形の帯状の板を渦巻状に巻いたばね ぜんまい状おもちゃ

時計の動力源 等

輪ばね 円錐面を持つ内輪、外輪を交互に重ねたばね 機械部品の緩衝装置

ブレーキ 等

一口に「板ばね」と言っても、これだけの形状に種類があるため、板ばねの用途を考慮した上で選択することが必要となります。

 

板ばねの材質の種類と特徴

続いて、板ばねの材質の種類について、特徴と合わせてご説明します。

板ばねには、金属、非金属の材質がございます。

金属と非金属をどのような場面で使い分けていけば良いのか、以下の表より、いくつか素材の例を出してご説明します。

金属

板ばねで主に使用される材質です。

比較的安価で、大きな荷重に耐えられるという特徴を持ちます。

板ばねでは主に鉄、銅、ステンレスが用いられます。

 

メリット

デメリット

・ばね特性が高い

・安価

・大量生産に向いている

・錆がつくため、表面処理が必要となる
・通電性があり、電子部品として用いることができる ・ステンレスよりばね特性が低い
ステンレス ・錆びに強い

・反発力と復元性が高い

・高精度な少量生産を実現できる

・鉄よりばね特性が低い

 

非金属

金属と比較して素材が軽く、加工がしやすいというメリットを持つ非金属は、金属では不可な特性を実現したいときに用います。

メリット

デメリット

プラスチック ・素材が軽い

・錆びにくい

・強度が低い
天然ゴム ・ばね定数を自由に調整可能

・汎用性が高い

・挙動を明確に計算不可

・耐熱性が低い

前述の形状同様、材質も様々な板ばねは、自分の製造するものに合わせて用途、材質ごとのメリットとデメリットを考慮しながら選択していくことが重要です。

 

板ばねの用途

ここまでお読みいただき、板ばねはいかに様々な種類があるか実感いただけたかと思います。

そんな板ばねは一体どのように使われるのか、ここでは3つの用途をご説明します。

緩衝用

復帰用

締結用

【役割】

衝撃を吸収するため

 

【用途】

車のサスペンション 等

【役割】

位置の復帰のため

 

【用途】

弓道やアーチェリーの弓

水泳の飛び込み台 等

【役割】

物を挟んで締め付けるため

 

【用途】

ピンセット

トング 等

上記の表のように、板ばねには3つの用途がございます。

用途を見ると、身近に自分が使っている物もあるのではないでしょうか。

 

冒頭でもご説明した通り、板ばねは私たちの生活に深く関わる物の製造で重要な部品となり、衝撃の緩和から物の締め付けまで様々な役割を担っていることが分かります。

 

板ばね設計のための計算方法について

板ばねの特徴から、どのような場面で使われているのかまで想像がかなり具体的になってきたかと思います。

冒頭で「板ばねは様々な種類があり、それぞれに合わせた応力評価が必要」と述べましたが、実際にどのように応力評価を行えば良いのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

最後に、板ばね設計で重要となる「板ばねの計算方法」についてご説明します。

板ばねの計算では以下の3つが重要な項目となります。

①応力

ばねに外部から力が加わると、材料の内部にて外部に対する抵抗力が生じます。

応力とは、この力のことで、主に引張り応力、曲げ応力、ねじり応力という3つの力があり、これらが組み合わさって同時に起こることが多いです。

応力は以下の計算式で表すことができます。

応力=力/ 断面積

応力が大きすぎると材料の破損につながるため、この数値はしっかり評価することが重要となります。

②ひずみ

ばねは荷重を加えると変形してしまいます。

ひずみとは、変形前の形に対する変形の割合を示します。

ひずみは応力と比例関係にあるため、応力と合わせて確認する必要があります。

③ばね定数

先ほどの「ひずみ」の説明にて、ばねは荷重を加えると変形すると述べました。

この変形したときの、ばねに加えた力を”F”、変形量を”x”とすると、

F = k × x

という計算式が成り立ちます。

このときの”k”は定数で、「ばね定数」と言います。

このばね定数が大きいほど、ばねが硬いと言えます。

 

板ばねは、日常生活のあらゆる場面において関わってくる部品ですので、しっかりとした設計が必要となります。

上記の計算の要素をしっかりと念頭に置き、設計をすることが重要です。

 

当社の製品事例

製品事例①:板バネ(25×35×0.8mm)

板バネ(25×35×0.8mm)

こちらは、FA装置向けの板バネ(25×35×0.8mm)部品です。材質はSUS304で、6つの高精度穴加工をしております。

この板バネ部品では、Φ1.0、Φ1.7の高精度穴を、Φ0.5の下穴で加工しております。Φ0.5の下穴でΦ1.0の穴を加工する際に、下穴を残さないように加工するのは、ワイヤーカットのノウハウが必要となる部分です。また、板バネ内の穴加工をした後に、外周部をワンカットで製作しております。

>>事例詳細はこちら

 

製品事例②:板バネ(10×20×0.6mm)

板バネ(10×20×0.6mm)

こちらは、FA装置向けの板バネ(10×20×0.6mm)部品です。

材質はSUS304で、ワイヤーカットでブランク材を製作した後に、簡易型で曲げ加工を行っております。

>>事例詳細はこちら

 

板ばねをご検討の方は「特注シム製造センター.com」まで!

板ばねについて、定義や種類、設計のための計算方法までお読みいただき、「板ばねを用いた製造を検討したい」と考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

特注シム製造センター.comでは、板ばねに関する知識もございますので、ご検討されている方はぜひお気軽にお問い合わせください。

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当社では薄くて、シンプルなシムを得意としており、シムの試作も承っております。

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