鉄損とは?鉄損の定義から発生要因、解決策までご紹介!
鉄損とは、モーター、変圧器などの鉄心で生じる損失のことです。
鉄損には「ヒステリシス損」と「渦電流損」があり、それぞれで発生要因が異なります。
こちらのコラムでは、上記2点の損失の定義を解説した上で、発生を防ぐ解決策までご説明します。
鉄損とは
鉄損とは、モーター、変圧器などの鉄心で生じる損失である「ヒステリシス損」と「渦電流損」の和です。単位はワット(W/kg)で表します。
鉄心にかかる電圧の大小に関わらず、鉄心に電圧がかかっている限り発生する損失のため、「無負荷損」とも呼ばれます。
対して、変圧器などのコイルにおいて、電流が流れることで巻線に抵抗が発生した際の損失を「銅損」と言います。
鉄損は、モーターの効率を低下させる原因となります。
鉄損が発生する原因
鉄損の発生する原因は、「ヒステリシス損」と「渦電流損」の発生要因から説明できます。
①ヒステリシス損
ヒステリシス損とは、鉄心の磁界方向、磁束の大きさが変化することで生じるエネルギー損失のことです。これらの変化により、鉄心中の磁気分子の方向や配列が変わり、分子相互間の摩擦損が生じます。
また、ヒステリシス損は、板厚に左右されないという特徴があります。
②渦電流損
渦電流損とは、鉄心内に生じる渦電流が原因となって生じる損失のことです。
磁界の方向が変化することで鉄心ないに電流が流れ、電気エネルギーの変化によって生じた熱が外に逃げることで発生します。また、高周波であるほど渦電流損の比率は大きくなります。
上記2つの損失が生じることで、鉄損が発生します。
鉄損を防ぐためには?
鉄損を防ぐためには、「ヒステリシス損」と「渦電流損」の発生を抑えることが解決策としてあります。
両者を防ぐための方法は、以下の通りです。
ヒステリシス損 |
渦電流損 |
・磁束密度を低くする
・最大磁束密度が小さく、透磁率が低い磁性材を使用する |
・固有抵抗を高くする
・板厚を薄くする ・透磁率が高く、導電率の低い材料を使用する |
上記の対策を行うことで、ヒステリシス損と渦電流損を減少させることができ、結果的に鉄損を防ぐことにつながります。
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