SUS製シムの板厚について|規格にない板厚の特注シム板への対応方法とは?
当社ではこれまでに、様々な特注シムの製造をしてまいりました。特注シムというのは、①サイズ、②形状、③板厚、④材質、の大きく4点のうちいずれかが特殊でカタログ規格品にないシムを指します。
ここでは、特に③④の板厚と材質に注目し、それぞれの材質ごとに特注板厚のシムについて、ご紹介いたします。
各材質ごとの対応可能な板厚について
シムを実際に製作する際は、➊定尺板から切り出して、➋必要に応じて板厚調整を行い板厚と寸法公差を要求精度に合わせる、というプロセスで製作しています。
下記は、実際に当社で調達実績がある(調達可能な)定尺板の板厚一覧です。この板厚でのシム製作はすべて対応可能です。
ステンレス(SUS)シム 板厚
- 0.02 mm
- 0.05 mm
- 0.08 mm
- 0.1 mm
- 0.13 mm
- 0.15 mm
- 0.2 mm
- 0.25 mm
- 0.3 mm
- 0.35 mm
- 0.4 mm
- 0.5 mm
- 0.6 mm
- 0.7 mm
- 0.8 mm
- 1.0 mm
- 1.2 mm
- 1.5 mm
- 1.6 mm
- 2.0 mm
- 2.5 mm
- 3.0 mm
- 3.5 mm
- 4.0 mm
- 5.0 mm
ステンレス(SUS)シム 材質
- SUS301CSP
- SUS304
- SUS304CSP
- SUS316
- SUS316CSP
- SUS316L
- SUS420J2GF
- SUS430
- SUS631CSP
- SUS632
アルミニウムシム 板厚
- 0.15 mm
- 0.3 mm
- 0.4 mm
- 0.5 mm
- 0.6 mm
- 0.8 mm
- 1.0 mm
- 1.2 mm
- 1.5 mm
- 2.5 mm
- 3.0 mm
- 3.2 mm
- 5.0 mm
アルミニウムシム 材質
- A1050P
- A1100P
- A1100R
- A2017P
- A5052P
- A5052R
- A7075
リン青銅シム 板厚
- 0.05 mm
- 0.06 mm
- 0.08 mm
- 0.1 mm
- 0.15 mm
- 0.2 mm
- 0.25 mm
- 0.3 mm
- 0.4 mm
- 0.5 mm
- 0.6 mm
- 0.64 mm
- 1.0 mm
- 1.6 mm
リン青銅シム 材質
- C5191P
- C5191R
- C5210P
- C5210R
銅シム 板厚
- 0.1 mm
- 0.115 mm
- 0.125 mm
- 0.15 mm
- 0.2 mm
- 0.3 mm
- 0.4 mm
- 0.5 mm
- 0.6 mm
- 0.7 mm
- 0.8 mm
- 0.9 mm
- 1.0 mm
- 1.5 mm
銅シム 材質
- C1020P
- C1020R
- C1100P
- C1100R
真鍮シム 板厚
- 0.1 mm
- 0.2 mm
- 0.25 mm
- 0.3 mm
- 0.4 mm
- 0.5 mm
- 0.6 mm
- 0.64 mm
- 0.8 mm
- 1.0 mm
- 1.2 mm
- 1.6 mm
- 2.5 mm
真鍮シム 材質
- C2680R
- C2801P
- C2801R
鉄(SPCC・SPHC) 板厚
- 0.4 mm
- 0.5 mm
- 0.6 mm
- 0.8 mm
- 0.9 mm
- 1.0 mm
- 1.2 mm
- 1.4 mm
- 1.6 mm
- 2.0 mm
- 2.3 mm
- 2.6 mm
- 2.9 mm
- 3.2 mm
- 3.6 mm
- 4.0 mm
- 4.5 mm
- 5.0 mm
- 6.0 mm
- 7.0 mm
その他 特注シム材
- チタン
- 洋白
- ベリリウム銅
- アモルファス
- 樹脂
- ガラス など
これらの特殊材質シムは非常に珍しいですが、シムは用途に合わせて適切な材質を選定する必要があります。
上記以外の特注板厚シム板の製作について
上記の板厚の規格値に収まる場合は、形状に合わせてカットするのみで製造可能です(薄板の場合は反りに気を付ける必要はあります)。
一方で特注シム製造センター.comでは、サイト開設以降、様々な特注シムのご相談をいただいておりますが、特注ということだけあり、規格品ではラインナップがない板厚の特注シムや、平面度の指定が高精度なスペーサーのご相談も多くいただいています。
下記は、実際にお客様からいただいた特注板厚シム・高精度スペーサーに関するご相談です。
「鉄(SPHCで可)、板厚3.8tのシムリング製造をお願いしたいです。」
「肉厚2.5mm、厚み12mmのシムリングの製造を検討していますが、どのような方法がよいでしょうか?」
「切断機用スペーサーで、φ250mm、厚み1.90mm、平面度0.01の高精度スペーサーの製造はできますか?」
「板厚t3.51±0.005の厚みでφ100×φ50に2箇所φ10の孔を開けたシムプレートを検討しています。材質は何でもOKです。製作可能でしょうか?」
このような規格外の特注板厚シムや、平面度の要求精度が高い高精度スペーサーについては、ただ形状をカットするだけのプレス加工やワイヤーカット、レーザーカットでは実現することができません。
そのため当社では、両面研磨にて板厚のコントロールを行うことで、規格品にはない特注板厚シム・高精度スペーサーの製造を行っています。
規格にはない板厚や平面度の特注シム製造が可能な小回り対応力が、当社に数多くのご相談をいただけている理由の1つだと考えております。
また平面度についても、板厚がt1mmを超えるようなスペーサーの場合で平面度0.01は非常に高精度となり、大量生産する規格品のシムスペーサーでは保証外となります。(t1.0の場合、規格品における板厚公差は±0.03~0.08が一般的です)
しかし、当社では精密な両面研磨加工が可能のため、t1.9mm、平面度0.01という高精度シムスペーサーでも問題なく対応可能です。
両面研磨については、板厚によって異なりますが、公差は±0.01~0.005であれば対応可能です。規格外の高精度シム・スペーサーが欲しいという方は、購入先を探す際に、最初から当社にご相談いただく方も多くなっています。
>>両面研磨による規格外板厚シム・高精度スペーサーの特注対応
ただし板厚0.5 mm以下の場合は、両面研磨用の治具が無く、対応が困難となるため、当社ではエッチングによるシムの板厚落とし(板落とし)にて特注板厚シムの製作に対応しております。エッチングの板厚落としでは、およそ0.02mmの厚み公差にて対応可能です。
特注シムの製品事例のご紹介!
続いて、当社の特注シムの製品事例をご紹介いたします。
動力伝動装置向け シム
こちらは、動力伝動装置用の特注シムです。材質はSUS304で、周りが八角形の形状をしており、中心に大きな円形状の穴を開け、八角形の頂点付近にそれぞれ穴を開けております。
金型用 異形状シムプレートセット
こちらは、金型用のシムです。上下に円形状の穴加工を施し、外周部はお客様のご要望に合わせた複雑形状に加工しております。
写真では7つの厚さの異なるシムを並べておりますが、それぞれの厚さのシムを2つずつ、合計で14個のシムを重ねた後にワイヤーカットを行いました。お客様が異なる厚さのシムをご要望されていましたので、0.05, 0.1, 0.2, 0.3, 0.5, 1.0, 2.0mmという7つの厚さのシムを同時に製作しました。
SPHC製 丸シム・スペーサ・ライナー(レーザー加工、両面研磨、亜鉛メッキ)
こちらは機械装置向けの特注シム(スペーサ)です。鉄(SPHC)の素材をレーザー加工で加工しました。
3.8t±0.05という板厚と製作数量より見積を行った結果、ワイヤー加工や金型を製作した場合では価格が高価となるためレーザー加工を提案させて頂きました。
また一般のSPHCによる板厚3.80t±0.05の材料は入手する事が出来ないため、両面研磨を行う事で規格を満足することが出来ました。さらにこちらの製品はSPHC製のため、サビ防止のために亜鉛メッキ処理を施しました。
動力伝導装置用向け 丸シム・スペーサ
こちらは、動力伝動装置用の特注シム(スペーサ)です。りん青銅(C5191)の素材を、プレス加工で打ち抜いて製作いたしました。
今回の特注シムは、厚みの要求精度が±0.01mmであり、さらに表面と裏面の平面度は0.02mmをお客様から要求いただきました。これらの厚み精度や平面度の場合は、素材のみで精度保証するのが困難となりますので、当社ではプレス加工後に両面研磨を施しています。
特注シム・積層コアなら「特注シム製造センター.com」まで!
「使用したい部品に合うシムがわからない、、、」とお悩みの方、「こんな形状のシムが欲しい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
また、特注シム製造センター.comでは「シム」の製造・加工を行っております。
当社では薄くて、シンプルなシムを得意としており、シムの試作も承っております。
多品種の材質、小ロットでのシム製作でお悩みの方は、ぜひ特注シム製造センター.comまでお問い合わせ下さい。
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