ロータコアとは?モーターにおけるロータコアの構造から役割まで解説!
ロータコアとは、モーターの回転子部分であるローターを構成する部品の一つです。モーターが正常に動作するためには、ローターとステーターの協調が不可欠です。今回は、ロータコアの概要から、ローターの構造や種類について詳しく解説します!
ロータとは?
ロータ(回転子)は、モーターの回転する部分であり、機械を動かす動力源となります。ロータにはコイル(巻線)が施され、回転運動を通じてトルクや運動を外部に伝達します。
ロータは、モーター内部で磁場の影響を受けて回転することで、機械的な動力を生み出します。この回転運動は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換するために非常に重要な役割を果たします。そのため、ロータの中の鉄心に当たるロータコアの精度や品質はモーター全体の性能に大きな影響を与えます。
ロータの構造
ロータは、シャフト、ロータコア、巻線、ファンで構成されています。ロータコアに巻線(コイル)が施され、電気エネルギーから機械エネルギーに変換され、シャフト部分がトルク・運動を外部に伝達することで、回転を生み出します。
ロータの種類
ロータは、その構造により様々な種類に分類されますが、一般的に以下の10種類に分類されます。
- かご型ロータ(squirrel-cage rotor)
- 突(凸)型かご型ロータ(salient-poled squirrel-cage rotor)
- 半硬磁鋼ロータ(semi-hard steel rotor)
- 軟鋼ロータ(solid-steel rotor)
- 凸極型珪素鋼鈑ロータ(salient-poled lamination rotor)
- 微細歯条型軟鋼ロータ(solid-steel rotor with fine teeth)
- 永久磁石型ロータ(permanent-magnet rotor)
- 誘導子型ロータ(inductor rotor)
- 巻線型ロータ(winding rotor)
- 整流子型ロータ(commutator rotor)
これらのロータは、シャフト、ロータコア、ロータ巻線、ファンで構成されており、特にロータコアは厚さ0.5mmの珪素鋼板を円筒状に重ね、中央にシャフトを圧入して作られています。ロータの外側の円形表面には、ロータ巻線が配置される均等に分散されたスロットがあり、この構造によりロータは効率的に機械的エネルギーを生成します。
ロータコアに電磁鋼板を使用する理由とは?
電磁鋼板とは、安価な鉄鋼材料であると同時に、磁気的性質を持ち、電気機器の鉄芯材料として使用される機能材料です。そのため、電磁鋼板には「絶縁被膜」と呼ばれるコーティングが施されます。
また、軟鋼にケイ素を添加することで、磁気特性に悪影響を及ぼす不純物(炭素や窒素など)を取り除き、鉄損なども極限まで低減しています。この際に、添加するケイ素の量を増やすと、結晶磁気異方性および磁気ひずみが小さくなり、電気抵抗が大きくなるので、結果的に鉄損を低減させる利点がありますが、飽和磁束密度が小さくなってしまうという欠点もあるため、含有率には注意が必要となります。
ロータコアで電磁鋼板を積層する理由とは?
ロータコアを積層する目的は、絶縁した板を積層しなければロータとして成り立たないためです。積層しなければ、渦電流が発生していまい、ロスが大きくなってしまいます。そのため電磁鋼板のような絶縁板を積層して積層モーターコアとすることで、渦電流の発生を防止します。積層すればするほど、鉄損失が減り、モーターの効率が良くなります。
逆に言うと、電磁鋼板に絶縁コーティングがされていない場合は、渦電流が発生してしまい、これにより熱も発生してしまい、モーターの効率が極めて悪化してしまいます。
>>モーターコアとは?モーターコアの定義から特徴、加工方法までご紹介!
ロータコアの積層方法とは?
当社では主に4種類の積層方法に対応しております。それぞれにメリット・デメリットがあり、それに応じて用途も異なることが多くなります。積層方法は以下の通りです。
- 接着積層
- ピンカシメ積層
- ダボカシメ積層
- レーザー溶接積層
ダボカシメ積層の詳細は下記動画をご覧ください!
当社のロータコアの製品事例
続いて、実際に当社で製作したロータコアの製品事例をご紹介いたします。
積層ローターコア
こちらは、ローターコアの量産品です。材質は50A300で、動力伝達装置に使用される製品です。
俯瞰写真をよく見るとお分かりいただけますが、丸ダボカシメを4か所行うことで積層しています。当社では、このようなカシメの場合は金型内での積層によりローターコアの製作を行っております。
ローターコア φ150 試作
こちらは、車両向けのモーターコアです。材質は50A1000で、ワイヤーカットにより加工をいたしました。
こちらのモーターコアは、試作であり短納期かつ低コストが求められたため、金型を製作せずにワイヤーカットで製作しました。
積層モーターコアなら「特注シム製造センター.com」まで!
当社のモーターコア試作製造対応領域は下記のマップの通りです。
特注シム製造センター. comでは、最大Φ300のコアを製造することができます。Φ300だと、月に最大50個ほどの生産体制を保有しております。Φ50のコアですと月に300個ほどの安定生産が可能です。お客様のご要望に応じて、ワイヤーカット・プレス加工両方での試作対応いたします。
特注シム製造センター.comでは、モーターコアの製造実績が多数ございますので、ご検討されている方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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