高精度な調整を支えるシムの特徴をご紹介!
シムとは、産業機器や金型などにおいて水平バランスを保つために部品間にはめられるものです。機器における精密な高さ調整や固定として用いられます。標準規格品では対応できない場合、複雑な調整が必要な場合は特注で設計、製造された特注シムが用いられます。シムは目には見えない部分で、機械や金型の精度を高め、製品の品質向上や設備の安定稼働を支え、製造業全体を支えています。
隙間・高さ・精度の調整のために使われるシムの役割
シムとは、産業機器や金型などにおいて水平バランスを保つために部品間にはめられるものです。機器における精密な高さ調整や固定として用いられます。シムは、機械や金型などの微調整を行う際に欠かせない部品です。
特に、標準規格のシムでは対応しきれない複雑な調整や、高い精度が求められる場合には、調整しなければならない機械の隙間や高さに合わせて特注でシムを設計・製造する必要があります。そのため、形状、板厚などにおいて様々な規格外のシムが求められています。
>>シムプレートとは?用途や加工方法、材質、厚さ、規格品や事例までご紹介!
>>SUS製シムの板厚について|規格にない板厚の特注シム板への対応方法とは?
特注で作られる調整用シムの特徴
1.高い精度
シムは使用する環境や用途に合わせて、寸法や形状が決定します。そのため特に特注製造のシムには、標準品では達成できない微細な調整を可能とするシム自体の精度が求められます。
上記写真のシムは、金型の高さ調整のために製造したシムの事例です。形状は同じですが、0.05, 0.1, 0.2, 0.3, 0.5, 1.0, 2.0mmと7枚とも厚さが異なります。このような複数枚のシムを重ねて、高さを調整し、精度を出す方法もございます。
シム自体の精度を求める場合、当社では両面研磨にて板厚のコントロールを行うことで、規格品にはない特注板厚シム・高精度スペーサーの製造を行っています。形状については、ワイヤー加工やプレス加工により任意の形状を指定頂ければ、ほとんどの異形状シムの製作可能となります。
一方、板厚については、まずは板材の規格があるかどうかが重要になります。規格外の特注板厚、または板厚公差をより高精度にしたい場合に、両面研磨による仕上げ加工をご提案しております。
>>両面研磨による規格外板厚シム・高精度スペーサーの特注対応
2.特殊な形状や機能の追加
調整のために特別に作られるシムははめ込む部分に追わせて形状が決まるので、様々で異なる形をしています。また穴あけ、切り欠き、刻印などの追加工が施されることがあります。例えば、配線やパイプを通すための穴が必要な場合や、特定の位置での固定が求められる場合には、これらの加工が施されます。
こちらは金型用の特注シムですが、上下に円形状の穴加工を施し、外周部はお客様のご要望に合わせた複雑形状となっております。
調整用のシムに関しての質問事例
実際にお客様から頂いたご質問・お問い合わせの中から、特に調整用のシムに関するものを紹介いたします。
Q:内径Φ4.8 mm、外径Φ6.3 mmのインチサイズベアリングのクリアランス調整用のシムは製作できますか?
Q:SUS製のシムプレート内に数ヵ所の異なる径の穴加工をお願いしたいです。
Q:丸型シム10mm×12mm、厚さ0.01mm~0.03mm程の特注生産をお願いできますか?
Q:作業者の安全面から、内外径の角がエッジにならないようにRとなるシムリングの製造をお願いしたいです。
当社では上記の質問のように様々なサイズ、材質、形状、板厚のシムのお問い合わせをいただいております。
その他よくある質問についてはこちら
特注シムの製品事例
アルミ製 大型丸シム
こちらは、動力伝導装置置向けの大型丸シムです。材質はA1100で、計14つの穴加工をしております。
この丸シムは、複数枚重ねたブランク材を厚めの鉄材で挟み込むことで、加工液噴射による加工中のブレを低減させながら加工いたしました。また、全寸法が一般公差のため、全周ワンカットで加工をしております。ただし、外周のスタート穴が1か所では加工中にワークが動いてしまうため、スタート穴を2か所以上にして加工しております。
アルミ製品のワイヤーカット加工は、途中でワイヤーが断線してしまうと切断面に膜が張ってしまい、加工が再開できなくなる場合がございます。そのため、断線防止のために加工条件を落とすなどの工夫をして加工しております。
SPHC製 丸シム・スペーサ・ライナー(レーザー加工、両面研磨、亜鉛メッキ)
こちらは機械装置向けの特注シム(スペーサ)です。鉄(SPHC)の素材をレーザー加工で加工しました。
3.8t±0.05という板厚と製作数量より見積を行った結果、ワイヤー加工や金型を製作した場合では価格が高価となるためレーザー加工を提案させて頂きました。
また一般のSPHCによる板厚3.80t±0.05の材料は入手する事が出来ないため、両面研磨を行う事で規格を満足することが出来ました。さらにこちらの製品はSPHC製のため、サビ防止のために亜鉛メッキ処理を施しました。
特注シム製造センター.comではレーザー加工の製作も協力工場に依頼する事で対応が可能です。レーザー加工では、鉄(SPHC等)であれば6.0tまで、ステンレス(SUS)であれば5.0tの厚みまで製作が可能です。また、両面研磨による厚みの精度向上や各種メッキにも対応可能です。
半導体製造装置用 ワンカット四角シム
こちらは、FA、半導体製造装置用の四角シムです。材質はSUS304で、シム内の穴及び外周部をワンカットで製作いたしました。
この四角シムは、材料が0.1mmと薄い製品のため、上下を厚さのある鉄材で挟み込むことで、加工液噴射時のブレをなくしました。
特注シム・積層コアなら「特注シム製造センター.com」まで!
シムは部品によって合う形状も異なります。
「使用したい部品に合うシムがわからない、、、」とお悩みの方、「こんな形状のシムが欲しい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
また、特注シム製造センター.comでは「シム」の製造・加工を行っております。
当社では薄くて、シンプルなシムを得意としており、シムの試作も承っております。
当社では、ワイヤーカットからプレス加工、エッチング、レーザー加工など、様々な加工方法の中から、お客様のご要望に応じて最適な工法をご提案できることが大きな強みです。
特にプレスに関しては、独自の技術を取り入れた「バリレスプレスシム」は、Amazonでも好評となるなど、市場からも評価の高い高精度シムの製造を行っております。
多品種の材質、小ロットでのシム製作でお悩みの方は、ぜひ特注シム製造センター.comまでお問い合わせ下さい。
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