プレス加工によるシム製造が最適な場合とは?
特注シム製造センター.comでは、様々な規格外の特注シムを製造しており、毎日多くのご相談をいただいております。
シムには板厚やサイズなど様々な形状があり、用途に合わせて選択していく必要があります。当社でも、お客様のご要望されるシムについて、用途も含めて詳細をお伺いした上で、最適な加工方法にてシム製造することをご提案しております。
今回はシムの加工方法の一つであるプレス加工について解説いたします。
プレス加工によるシム製造が最適な場合とは?
プレス加工によるシム製造は、下記の様なケースでは最適な加工方法となります。
- 枚数が1000枚を超える場合
- とにかく精度を重要視したい場合は、「バリレスプレスシム」が最適
基本的にはワイヤーカットと同様に、幅広いサイズや板厚、材質にてプレス加工によるシム製造に対応しておりますが、特に枚数が1000枚を超えてくる場合に、金型を製作してもプレス加工のほうがコストメリットが大きくなります。
板厚は0.05mmでも、プレス加工にて対応可能です。ただし反りなどの影響もあるため、エッチングのほうが適している場合もございます。
ただし1000枚を超える場合でも、サイズが小さい場合はエッチングの方がコストメリットが働きます。
また、お客様が当社を選んでいただく一番大きな理由として挙げていただいているのが、製品の品質精度ですが、その高精度な製品をお届けするための当社独自の技術が「バリレスプレス」です。
つまり、極限までバリが発生しないようにする独自のプレス加工「バリレスプレス」こそが、当サイトを運営する飯島精機がお客様から選ばれる理由と言っても過言ではありません。
プレス加工によるシム製造が不適な場合とは?
ただし、プレス加工によるシム製造が適していない場合もございます。
- アスペクト比が1以下になる場合
- 板厚が8mm以上の場合
- サイズが300mm以上の場合
- 類似サイズがなく、プレス金型製作が必要なものの、予算が合わない場合
例えば、通常は1000枚であれば、本来はプレス加工にてご提案しておりますが、板厚1mmに対してシムリングの肉厚が1mmとなっていて、アスペクト比が1以下となる場合は、金型が破損する恐れがあります。このようなケースでは、お客様とご相談の上で、当社ではワイヤー加工やエッチング、レーザーカット、パイプカットによる製作もご提案しております。
金型に大きな負荷がかかる影響で、板厚が8mm以上の場合も対応が困難になります。板厚が大きい場合は、ワイヤーカットやレーザー加工、パイプ材からの切削にて対応しております。
また、弊社所有のシムリングの金型に類似サイズがない場合は、プレス金型製作からの対応になるため、あらかじめご相談させていただきます。金型同様に、プレス機のサイズにも制限があるため、300mm以上のシムリング、シムプレートの場合は、対応が困難となります。
特注シム製造センター.comではプレス加工だけでなく、幅広い加工方法に対応可能
シムのプレス加工における注意点は金型の設計と組み込み精度があげられます。適正なクリアランスの設定と形状に合わせたクリアランスの配置を設計段階に押さえるとともに、精度の高い金型組み込み方法により、金型設計に極めて近い状態を金型組み込みで実現する事が注意点となります。
特注シム製造センター.comのプレス加工におけるシムの特徴は、バリが限りなく少ない事と、ソリや変形が発生しない事に特徴があります。
また、当社ではプレス加工・バリレスプレスだけでなく、ワイヤーカット、レーザーカット、エッチング、パイプ切断、旋盤加工、といった多種多様な加工方法の中から最適な加工方法を選定することができます。
当社では、お客様に現状何を製作しているのかをヒアリングさせていただいた上で、具体的にはどのような設備と加工方法でシムを製造しているのかをヒアリングさせていただいた上で、より安価な方法をご提案しております。
実際に当社がご提案した例としては、レーザーカットからワイヤーカットへの工法転換、ワイヤーカットからエッチングへの工法転換、もしくは金型製作によるプレス加工といった工法転換をご提案しております。
どの方法にもメリット・デメリットがございます。レーザーカットでは、ワイヤーカットよりも安価ですが、熱影響によりシムが沿ってしまいます。エッチングも安価に製造できる一方で、精度的には劣ることもございます。
特注シム製造センター.comでは、これらすべてのシム製造に対応しており、さらに加工方法を熟知しております。そのため、お客様のシムの使用用途に合わせた上で、最適な工法にてシムリング製造をご提案しております。さらに当社ではウォータージェットにも対応しております。
お客様のご要望に応じて、材質選定も含めて対応いたしますので、まずは特注シム製造センター.comまでご相談ください。
プレス加工による特注シムの製品事例をご紹介!
続いて、特注シム製造センター.comによる、プレス加工にて加工した特注シムの製品事例をご紹介いたします。
半導体製造装置用 正方形シム(プレス加工)
こちらは、半導体製造装置用の正方形シムです。材質はSUS304で、精密プレス加工で製作いたしました。
こちらのシムでは、90×90mmの中に144個の円(φ3.6)が5.5mmピッチ(±0.03)毎に形成されており、さらにそれぞれの円の中には1.5mm(±0.025)のスリットが3か所に、非常に狭いピッチで設けられています。そのため当社では、カス上がり防止とパンチ欠け防止の工夫を金型に施しております。
動力伝導装置用向け 丸シム・スペーサ
こちらは、動力伝動装置用の特注シム(スペーサ)です。りん青銅(C5191)の素材を、プレス加工で打ち抜いて製作いたしました。
今回の特注シムは、厚みの要求精度が±0.01mmであり、さらに表面と裏面の平面度は0.02mmをお客様から要求いただきました。これらの厚み精度や平面度の場合は、素材のみで精度保証するのが困難となりますので、当社ではプレス加工後に両面研磨を施しています。
シムリング φ30×φ26×0.1~0.5mm
こちらは、さまざまな用途に活用できる丸い形状のシムです。ステンレス素材です。0.1~0.5mmの板厚に対しプレス加工により製作しました。
特にM4系の電動ガンのレールシステム&アウターバレルを取り付けた時のガタつきを解消します。電動ガンM4系各のバレルロックリングとバレル基部の間に挟み込んで使用し実物や海外パーツを組込んだ時に生じるズレやガタ付きを解消します。
シムリング ステンレス φ10×φ7×1t
こちらは、さまざまな用途に活用できる丸い形状のシムです。ステンレス素材です。1mmの板厚にプレス加工により製作しました。
バリレスプレスシムのため為変形、バリが少ない仕上がりになっています。釣り具などリールのガタつき調整などのメンテナンスに最適です。クリアな巻き心地になるようにメンテナンスください。ハンドルのガタつき調整、ドライブギアのシム調整にシビアな調整が可能です。
シムリング 銅 φ13×φ10×0.8t
こちらは、丸い形状のシムです。銅素材です。0.8mmの板厚にプレス加工により製作しました。
バリレスプレスシムのため為変形、バリが少ない仕上がりになっています。
シムリング 銅 φ20×φ15×1t
こちらは、丸い形状のシムです。銅素材です。1mmの板厚にプレス加工により製作しました。バリレスプレスシムのため為変形、バリが少ない仕上がりになっています。
ワッシャー(座金) 鉄+亜鉛メッキ φ10×φ8×0.5t
こちらは、丸い形状のワッシャー(座金)です。鉄(SPCC-SD)素材です。0.5mmの板厚にプレス加工により製作しました。
バリレスプレスシムのため為変形、バリが少ない仕上がりになっています。また錆防止のために亜鉛メッキを行っています。
ワッシャー(座金) ステンレス φ6×φ3×0.5t
こちらは、丸い形状のワッシャー(座金)です。ステンレス(SUS304)素材です。0.5mmの板厚にプレス加工により製作しました。
バリレスプレスシムのため為変形、バリが少ない仕上がりになっています。またバリ除去のためにバレル処理を行っています。