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技術コラム

シムプレートとは?用途や加工方法、材質、厚さ、規格品や事例までご紹介!

シムプレートとは?

半導体製造装置用 正方形シム

シムプレートとは、産業機器や金型などにおいて水平バランスを保つために部品間にはめられるものです。機器における精密な高さ調整や固定として用いられます。

シムは形状によって、シムリング、シムプレート、と大きく二分されますが、シムリングも板形状のため、まとめてシムプレートと総称されることも多くあります。

>>シムリングとは?用途や加工方法、材質、厚さ、規格品や事例までご紹介!

>>シムの形状とその特徴

 

また、シムプレートと似たものにスペーサー、ライナーがあります。

まずシムプレートとスペーサーに関しては、用途が違いますが、シムプレートとスペーサーに明確な定義は特にございません。

シムプレートは高さ調節に用い、スペーサーは隙間(スペース)を確保するために使われますがいずれにしましても隙間の調整に使用される目には見えない重要な部品です。

 

次にシムプレートとライナーです。両方とも隙間の高さ調節に用いられる目には見えない重要な部品ですが、両者の決定的な違いは調整する”高さ”です。

シムプレートの方が調整する隙間が小さく、ライナーの方が調整する隙間は大きいという違いはありますが、用途は変わらないことからシムプレートとライナーを区別せずシムとまとめて呼ぶことも多くございます。また特注シム製造センター.comでは、シムの厚みについて寸法精度では±0.002~0.05mmの対応が可能です。

当社では金型に使用するものをライナーと呼んでおり、約20~150mmのライナー製造に対応しております。

>>シム、スペーサー、ライナーの違いとは?

 

シムプレートの用途・使い方は?

 

シムプレートは、主に機械の加工や組みつけに使用されます。上述のように、産業機器や金型などにおいて、水平バランスを保つために、部品間にはめて精密な高さ調整をするために、用いられることが多いです。円形状のシムリングに関しては、若干用途が異なる場合もございます。

>>シムリングとは?シムリングの定義から選定ポイントまでご紹介

 

当社では、シムプレートからシムリング、異形状シムまで、様々な特注シムの製造を行っております。

 

 

シムプレートの規格品・定尺品は?

ものづくり業界で有名な通販サイトや大手シムメーカー様では、シムプレートの規格品・定尺品を多く販売されています。しかし多くのお客様から当社がお伺いするのは、例えば下記のようなお声です。

 

「規格品では装置に合わないから特注サイズのシムが欲しい」

「複数枚のシムを重ねないといけないが、バラバラで購入するとかなり割高になってしまう」

「1枚だけでは微調整できないから、セットでのシムがほしいけど、厚さが異なるシムプレートセットは意外と多くない…」

「とても大きなサイズだから規格品のシムプレートが売っていない..」

「金型内部の高さ調整に使いたいから、シムの一部に穴加工が必要…」

 

ただ高さを簡易的に調整するのであれば市販品の規格シムプレートでも問題ございません。しかし精密な機器や金型でシムを使用する際には、高さの微調整がどうしても必要になります。その場合は、規格品ではどうしても調整が困難となります。

また、規格品のシムプレートでは、小さいサイズのシムプレートや、1mを超える長尺大型シムプレートなど、特注サイズはもちろん販売されていません。

さらに特殊な用途や機器でシムプレートを使用する際には、どうしても規格品のシムプレートに追加工する必要がありますが、1枚だけのシムプレートの追加工は意外と困難なものです。どうしても反りや曲がりが発生してしまうため、いざ使用しようと思った際に精度が悪く使い物にならない場合もございます。

 

そのようなお声に対して、当社ではお客様にあわせた特注シムを製造販売しております。当社独自の技術による「バリレスプレスシム」は、以前にAmazonでも販売させていただきましたが、好評につき1か月で即完売となりました。市場からも評価の高い、そんな高精度シムを、当社ではお客様にあわせて1枚から製造しております。この小回りの利く製造対応が当社の強みです。

 

 

シムプレートの加工方法・カット方法とは?

一般的なシムプレートの製作方法は、プレス加工やワイヤーカット、DIY的にはハサミでカットしてしまうことも多くあります。しかし当社のお客様は製造業の皆様が多くなりますので、より高精度かつ特殊なニーズに求められる特注シムが多くなっています。

当社では、下記のような方法で特注シムプレートの製造を行っております。

  • ワイヤーカット
  • プレス加工
  • バリレスプレス
  • エッチング
  • レーザーカット
  • パイプ切断
  • 旋盤加工
  • トムソン加工

ロット数が少ない場合には、高精度ワイヤーカットによるシムプレート加工がもっとも安価かつ短納期でお届けすることができます。後述しますが、様々な板厚のシムプレートをセットでほしいというお声を多くいただいていますが、当社では異なる板厚のシムプレートを同時に製造することで、重ねて微調整しながら使用することができる高精度シムプレートセットをお届けすることができます。

またロット数が多い量産品の場合は、独自のバリレスプレスによって高精度シムを量産製造いたします。金型費が高くなるのがデメリットではございますが、数量や納期に応じて、金型を製作する方がコストメリットが働く場合もございますので、その際に当社からご提案させていただきます。

 

特注シム製造センター.comでは、協力会社様にてエッチングによるシム製作にも対応しております。版代(エッチング用の版)が必要となる、フォトリソグラフィのような方法での製作となりますが、0.3mm以下の特に薄いシムはエッチングでの製作が有利となります。極小のシムプレートや、長尺大型シムプレートの場合は、エッチングが有利となります。

また協力会社様に依頼をすることで、トムソン型によるシムプレート製造にも対応可能です。トムソン型による加工の場合は、最大0.2mmまでのシムであれば対応可能です。このように、当社独自の強力なシム製造ネットワークを駆使することで、ややこしい形状の特注シムでも問題なく対応することができます。

 

このシム加工ネットワークにより、当社では多種多様な加工方法の中から最適なシムプレートの加工方法を選定することができます。規格品は用途に限らずに製造されているシムプレートですが、当社のシムプレートは用途にあわせて最適な材質や加工方法が採用されておりますので、精度や品質は市販品よりも良くなります。

 

プレス加工でのシムプレート製作のメリットとは

 

ロット数が多い量産品の場合は、当社独自のプレス加工「バリレスプレス」によって高精度シムを量産製造いたします。

プレス加工によるシム製造は、下記の様なケースでは最適な加工方法となります。

  • 枚数が1000枚を超える場合
  • とにかく精度を重要視したい場合は、「バリレスプレスシム」が最適

基本的にはワイヤーカットと同様に、幅広いサイズや板厚、材質にてプレス加工によるシム製造に対応しておりますが、特に枚数が1000枚を超えてくる場合に、金型を製作してもプレス加工のほうがコストメリットが大きくなります。

また、お客様が当社を選んでいただく一番大きな理由として挙げていただいているのが、製品の品質精度ですが、その高精度な製品をお届けするための当社独自の技術が「バリレスプレス」です。

つまり、極限までバリが発生しないようにする独自のプレス加工「バリレスプレス」こそが、当サイトを運営する飯島精機がお客様から選ばれる理由と言っても過言ではありません。

>>当社の独自技術「バリレスプレス」について解説!

>>プレス加工におけるバリ対策とは

>>プレス加工によるシム製造が最適な場合とは?

 

シムプレートの材質の種類

当社では下記のような材質のシムプレート製造に対応しております。

  • ステンレス(SUS、SUS304、SUS403、SUS316、SUS430、SUS316)
  • アルミ
  • 鉄(SPCC、SK)
  • 真鍮
  • 樹脂
  • アモルファス

鉄系シムの材質としては、SPCC,SPHC,SS400が多いですが、直近の実績としては焼き入れされた鉄材のシムプレートの製造依頼もいただいています。

鉄製シムは錆びやすいため、錆止めのメッキや防錆油につけての納入が必要になります。当社ではメッキは協力会社にて対応しております。0.3~50mmの鉄製シムプレートの製造に対応しております。

 

銅の場合は、当社では主にワイヤーカットにてシムプレート製造の対応をいたします。当社では、1mmや0.8mmの厚さの銅シムプレートの製造実績が多くなっております。また最大厚では10mmまでの銅シムプレートの加工に対応可能です。下記の製品事例もご覧ください。

>>銅製シムプレートの製品事例はこちら

 

真鍮材に関しても、当社では0.1~5mm厚での様々な板厚にてストックをご用意しております。真鍮シムに関しては、比較的加工も容易のため、ワイヤーカット、プレス加工のどちらでも可能のため、柔軟な製造対応をすることができます。当サイトでは、あまり多くの実績はありませんが、四角シムもシムリングも、どちらも真鍮製シムの実績がございます。特に最近は真鍮製のシムのお問い合わせも多くなっています。ただ数量的には100個以下の真鍮シムのお問い合わせが多いため、基本的にワイヤーカットにて対応しております。もちろん量産を見据えた真鍮製シムにも対応可能です。

>>真鍮シムプレートの製品事例はこちら

 

また特注シム製造センター.comでは、リボン鋼、SK材、S45C、ダイス鋼など多くの焼き入れ材料で対応可能です。

焼き入れ材の厚みとしては、0.5mm~50mm程度まで対応可能です。また板については、一般的に以下の板厚がございます。

>>焼き入れしてある材質でシム板の板厚の種類及びサイズのラインナップを教えてほしいです。

 

 

特注シム製造センター.comでは、シムプレートの材質として多いのは、ステンレス、鉄、真鍮、リン青銅、銅、アルミの順でご依頼が多くなっています。

特にステンレスに関しては、SUS304,SUS430がメインとなっています。

ステンレス全般の特徴として、錆びない・腐食しない・加工性が良いことなどが挙げられます。シムは産業機器や金型などにおいて、水平バランスを保つために使われます。シムが錆びたり、腐食っすると、機械や金型の精度にに影響があるためシムの素材としてステンレスが用いられることが多くあります。また、耐熱性が高いこともステンレス(SUS304,SUS430)が選ばれる理由の一つです。

 

シムプレートは、比較的製造するのが容易ではありますが、材質ごとで最適な加工条件もございます。また板厚が異なる場合や、加工方法もワイヤーカットやプレス加工などございますので、最適な加工方法を検討する必要もございます。

過去には、「特注シムの使用環境が300℃雰囲気で、どの材質が良いのか分かりません。錆びない最適な材料を選定いただけないでしょうか。」といったご質問をいただきましたが、当社ではご要望をお伺いした上で最適なご提案をした結果、ご注文いただき、無事にご利用いただいているケースもございます。

>>よくある質問はこちら

 

 

シムプレートの厚み一覧

多くご相談をいただく板厚のシムプレートは、下記の通りです。単位はすべてミリです。

  • 0.005
  • 0.01
  • 0.02
  • 0.03
  • 0.05
  • 0.1
  • 0.3
  • 0.5
  • 1.0
  • 1.5
  • 2.0
  • 3.0
  • 5.0

「肉厚2.5mm、厚み12mmのシムリングの製造を検討していますが、どのような方法がよいでしょうか?」といったご質問もいただいております。こちらの場合は、①レーザー加工、②パイプの切断加工、③旋盤加工後に研磨とメッキを行うことを提案いたしましたが、このような具体的なご質問も多数回答しております。

>>よくある質問はこちら

 

特に当社では、0.05, 0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5, 1.0, 2.0mmの板厚のシムプレートセットに関して多くのご要望をいただいています。上記のような板厚のシムプレートを個別にご依頼いただくよりも、シムプレートセットとしてご依頼いただいた方が、たいていの場合はお安くなります。そのため当社では、特注シムの製造依頼をいただいた際は、個別の板厚での場合と、シムセットの2種類でお見積りをお出ししております。

 

 

特注シム製造センター.comの特注シムプレート事例のご紹介!

続いて、当社の特注シムプレートの製品事例をご紹介いたします。

 

動力伝動装置向け シム

 

動力伝動装置向け シム

こちらは、動力伝動装置用の特注シムです。材質はSUS304で、周りが八角形の形状をしており、中心に大きな円形状の穴を開け、八角形の頂点付近にそれぞれ穴を開けております。

>>詳細はこちら

 

金型用 異形状シムプレートセット

 

金型用 異形状シム

こちらは、金型用のSUS304製のシムを並べておりますが、それぞれの厚さのシムを2つずつ、合計で14個のシムを重ねた後にワイヤーカットを行いました。お客様が異なる厚さのシムをご要望されていましたので、0.05, 0.1, 0.2, 0.3, 0.5, 1.0, 2.0mmという7つの厚さのシムを同時に製作しました。

>>詳細はこちら

 

金型用 四角シムプレートセット

 

金型用 四角シム

こちらは、SUS304製の金型用の四角シムです。シムの中央部分に穴加工を施し、外周頂点部は斜めにカットしております。

写真では7つの厚さの異なるシムを並べておりますが、それぞれの厚さのシムを2つずつ、合計で14個のシムを重ねた後にワイヤーカットを行いました。お客様が異なる厚さのシムをご要望されていましたので、0.05, 0.1, 0.2, 0.3, 0.5, 1.0, 2.0mmという7つの厚さのシムを同時に製作しました。

当社では、一般的な鉄やSUSにとどまらず、アモルファス製品から特殊な合金まで、様々な材料の調達に対応しており、特注シムの試作加工から量産までワンストップで対応いたします。

 

>>詳細はこちら

 

>>シムプレートの製品事例一覧はこちら

 

特注シムプレートなら「特注シム製造センター.com」まで!

特注シム製造センター.comでは、多種多様な特注シムプレートの製造を行っております。当社では、ワイヤーカットからプレス加工、エッチング、レーザー加工など、様々な加工方法の中から、お客様のご要望に応じて最適な工法をご提案できることが大きな強みです。

特にプレスに関しては、独自の技術を取り入れた「バリレスプレスシム」は、Amazonでも好評となるなど、市場からも評価の高い高精度シムの製造を行っております。

 

また当社の実績ベースで言いますと、月に450万個の直径20mmシムの量産を行ったこともございます。また直径50mmを超えると、月に最大100万個までシム量産に対応可能です。当社では、だいたい月に200万個のシム製造が数種類流れていますが、主に自動車関連や産業機器関連のシムプレート量産に関してご相談をいただいています。

 

多品種の材質、小ロットでのシムプレート製作でお悩みの方は、ぜひ特注シム製造センター.comまでお問い合わせ下さい。

>>当社の技術提案事例はこちら

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